「くまモン」でおなじみの熊本県は、世界有数のカルデラを誇る阿蘇があることから「火の国」と呼ばれています。その活火山から生み出された美しい山々や草原など雄大な自然・景観は、見るものを圧倒します。その大自然の中で、紀元前より営まれた人々の歴史・文化は数万年にも渡り、古社・阿蘇神社など神々の神話にまつわる場所が多いのも特徴です。また、阿蘇山の噴火によって形成された地層の賜物である清らかな湧水も県内に1,000ヵ所以上あり、恵まれた水資源の宝庫であることから「水の国」とも呼ばれています。
熊本城 肥後領主の加藤清正(豊臣秀吉の子飼い)が築城。秀吉の死後、天下統一をかけた「関ヶ原の合戦」で東軍(徳川家康)に与し、論功行賞で肥後一国の大名となり、元々あった「隈本城」を大改修して、現在の熊本城を築きました。築城に際して、清正が城内に銀杏(ぎんなん)の木を植えたことから、別名「銀杏城」と呼ばれています。城は熊本市の中心部にあり、市の名前の由来は、熊本城の城下町であったことから来ています。熊本城は、大坂城・名古屋城とともに日本三名城とされ、面積約98ha、周囲の長さ約5.3kmにおよぶ規模を誇ります。
熊本城の特徴として、「武者返し(むしゃがえし)」と称される、敵の侵入を防ぐために大きく反り返った急勾配の石垣や、本丸御殿と大天守閣をつなぐ「地下通路」があります。また朝鮮出兵(文禄・慶長の役/1592年~1598年)のとき、清正は兵糧攻めの苦しみを味わったことを教訓に、干瓢(かんぴょう)を壁に仕込んだり、畳の下に里芋の茎が仕込んだりと、長期の籠城でも食糧を確保できるようにしていた話が伝わっています。築城から270年経った西南戦争(1877年)では、薩摩軍の攻勢に50日超のあいだ籠城し耐え抜けたのもうなずけます。
熊本城公式サイト
阿蘇山 阿蘇山は、阿蘇五岳(根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳)と外輪山からなります。現在も活発な活動を続けているのが中岳で、2016年に噴火を起こした中岳第一火口は、そばまで登ることができ、90度近くに達したエメラルドグリーン色の湯を見ることができます。大観峰(だいかんぼう)は、阿蘇北外輪山の最高峰に位置する天然の展望台です。ここから眺める阿蘇五岳はお釈迦様の寝姿に見えることから「阿蘇涅槃像」と呼ばれ、360度の大パノラマが楽しめる阿蘇随一のビュースポットです。
大観峰のご案内
阿蘇山周辺の観光地 阿蘇神社は、神武天皇の孫神で阿蘇を開拓した 健磐龍命(たけいわたつのみこと)をはじめ家族神12神を祀り、2000年以上の歴史を有する古社です。全国に約500社ある阿蘇神社の総本社で人気のパワースポットです。神社そばにある湧水の門前町散策しながら「水基(みずき)巡り」もおすすめです。白川水源は、阿蘇神社末社の白川吉見神社内にあります。水質は環境省の「名水百選」に登録されるほど良質です。鳥居をぐぐるとすぐに、毎分60トンといわれる湧き水を見ることができます。水源の水は自由に持ち帰ることができ、加熱処理された水も販売されています。草千里ヶ浜は、阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の北麓に広がる火口跡にある大草原と、雨水が溜まってできたといわれる池とが織りなす自然のコントラストが非常に美しい場所です。煙を上げる中岳を背景に、放牧された牛や馬が草を食んでいる牧歌的な風景がとても絵になります。
阿蘇神社公式サイト
小国郷と黒川温泉
大分県との県境に位置している小国町(おぐにまち)・南小国町(みなみおぐにまち)で構成された「阿蘇小国郷」には、豊富な湧出量を誇る温泉群が多数存在します。中でも特に有名なのが、南小国町の黒川温泉です。標高700mの山あいの閑静な温泉地で、筑後川の支流である田の原川の峡谷に沿って、懐かしさあふれる旅館が建ち並びます。森に囲まれた自然豊かな景観が活かされ、その自然と調和するように造られた露天風呂があり、山奥にひっそりたたずむ温泉街は、「街全体がひとつの宿、通りは廊下、旅館は客室」と言われています。徳川時代には参勤交代の中継地として、大名や旅人たちの旅の疲れを癒したともいわれており、昔ながらの湯治場の雰囲気の残る路地を、華やかな浴衣に身を包んだ観光客たちがそぞろ歩く光景が見られます。黒川温泉の最大の魅力は異なる泉質が湧き、宿ごとに泉質が違うところです。そんな違いを楽しめる湯めぐりは、入湯手形1,200円(税込)を購入すると温泉街の24軒のうち、3カ所の露天風呂へ入浴できます。入湯手形は、温泉街の中心にある温泉組合か各旅館にて販売しています。
黒川温泉サイト
鍋ヶ滝公園
小国町にある、シルクのカーテンのように美しい「鍋ヶ滝(なべがたき)」は、「生茶」や「お−いお茶」のテレビCMのロケ地として知られています。滝を裏側から眺めることができるのが特徴で、別名「裏見の滝」と呼ばれています。この滝の落差は約10m、幅は約20mあり、カーテンのように幅広く落ちる水が木漏れ日に照らされる様子は、とても優美で神秘的です。阿蘇のカルデラをつくった約9万年前の巨大噴火でできたとされるこの滝は、長い年月をかけて現在の形になり、滝上部の固い岩盤や滝裏のやわらかい地層は、今も浸食を繰り返し、少しずつ形を変えています。春には期間限定で、滝を裏側からライトアップするイベントを開催しています。
鍋ヶ滝公園のご案内
﨑津教会
2018年7月、世界遺産の構成資産として登録された「﨑津集落(さきつしゅうらく)」に立つ、﨑津教会は、長崎の建築家・鉄川与助によって設計されたゴシック様式の教会で、現在の教会は、1934年(昭和9年)、フランス人宣教師ハルブ神父の時代に再建されました。教会の中が畳敷きという非常に珍しい特徴があり、また、この教会は絵踏みが行われていた庄屋屋敷をハルブ神父が買い取り、祭壇を置いたと言われています。現在も信仰の場であり、教会堂へ至る道が聖体行列や﨑津諏訪神社の祭りの空間として共有されるなど、﨑津教会とその周辺景観は重層する歴史を表しています。
天草の﨑津集落のご案内
﨑津諏訪神社のご案内
月-金:09:00~19:00
土日祝:10:00~17:00
〒598-0093大阪府泉南郡田尻町
りんくうポート北5番6