九州の南端に位置し、温暖な気候に恵まれる鹿児島県は、雄大な桜島や世界遺産の屋久島、いたるところから湧き出る温泉、黒牛・黒豚、黒酢・黒糖など「黒」に代表される食文化が根付いており、質の高い素材に溢れています。古くから交易の中心地として栄え、鉄砲やキリスト教の伝来の地としても有名であり、その海外との長い交流の歴史・文化は、薩摩切子や大島紬などの伝統工芸や、焼酎づくりの技術など、今も県内各地に息づいています。また、明治維新においては西郷隆盛をはじめ幾多の人物を輩出するなど、中世から近代に至るまでの豊富な歴史も、鹿児島の大きな魅力の一つです。
桜島 錦江湾に浮かぶ、鹿児島のシンボル「桜島」は、北岳・南岳の2つの主峰から成る複合火山です。霧島錦江湾国立公園に指定され、散策に適した溶岩遊歩道の途中には、絶景を望める展望所も複数あります。海沿いの露天風呂を楽しめる「古里温泉郷(ふるさとおんせんきょう)」や錦江湾を見晴らせる日本最大級の足湯などもあり、観光スポットが盛りだくさんです。桜島は約26,000年前に誕生し、17回の大噴火を繰り返してきました。1914年の大正噴火で流れた溶岩によって、海峡が埋め立てられ、島は大隅半島の一部となりました。現在も毎日のように小規模な噴火を繰り返しています。大噴火や土石流など、火山災害を受けながらもこの地に人々が暮らすのは、どうしてでしょうか。それは火山のもたらす恵みがあるからです。桜島大根、桜島小みかんといったおいしい農作物、日々の疲れを癒す豊かな温泉、山や集落の美しい景観は、すべて火山の恵みです。現在の噴火も日常生活の一部となり、桜島の人々は、火山とともに暮らしています。
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仙巌園(せんがんえん) 仙巌園は、薩摩藩の第2代藩主で、島津氏第19代当主の島津光久(しまづ・みつひさ)が1658年に造った日本庭園です。借景技法を用い、桜島を「築山(人口の山)」に、鹿児島湾を「池」に見立てた素晴らしい景色と広大な庭園が特徴で、1958年に国の名勝に指定されました。周囲の自然を庭の一部にしてしまう「借景庭園」は、島根の足立美術館の庭園など、いくつかの日本庭園で取り入れられています。幕末には第28代当主の島津斉彬(なりあきら)がこの敷地の一部を使ってヨーロッパ式製鉄所やガラス工場を建設するなどの近代化事業(集成館事業)を起こしました。1857年には、園内の石灯籠にガス管をつないで点火させ灯火として用いたことから、日本のガス灯発祥におけるルーツの一つとして挙げられる場所にもなっています。2015年、仙巌園一帯は、「明治日本の産業革命遺産」として「世界文化遺産」に登録されました。
仙巌園公式サイト
霧島神宮 霧島神宮は、南九州屈指のパワースポットとして知られています。およそ1500年前、欽明天皇の時代に慶胤(けいいん)という僧が高千穂峰に社殿を建てたのが始まりで、高千穂の峰の度重なる火山噴火で焼失し、現在の場所に今から300年前に遷宮されました。主祭神は、神話の世界で天照大御神の命により高天原から地上に降りたと伝わる(天孫降臨神話)、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)です。華麗な社殿は1715年、薩摩藩の第4代藩主の島津吉貴によって建立されました。本殿は柱、梁なども全てが朱漆塗りで、彩色文様や飾り金具で装飾され贅を尽くした豪華絢爛な佇まいです。境内には、新婚旅行で訪れた坂本龍馬も感動した「神官の姿が浮かぶ」樹齢800年のご神木が立っています。また、「霧島七不思議」と呼ばれる、不思議な現象やスポットがあります。「風穴」「亀石」「御手洗川」「両度川」「蒔かずの種」「文字岩」「夜中の神楽」の7つで、これらの一部を霧島神宮内で見ることができます。
霧島神宮公式サイト
霧島七不思議のご案内
龍宮神社龍宮神社は、ウミガメの産卵地で有名な長崎鼻(ながさきばな)という岬がある、指宿市にあります。浦島太郎と乙姫でおなじみの「龍宮城」をモチーフとした神社です。主祭神は、日本神話に登場する豊玉姫(とよたまひめ)で、乙姫のモデルとなった女神様です。縁結びの神様としても知られ、白い貝殻に願い事を書く「貝殻祈願」ができます。賽銭箱に祈願料100円を投入してから、白い貝殻に願い事をマジックで書いて亀壺に奉納します。願い事を書いた貝殻は、なんと境内右奥にある貝塚で永久保存されます。また、長崎鼻の対岸には、薩摩富士とも呼ばれるきれいな三角形をした「開聞岳(かいもんだけ)」があります。海を挟み、遮るものが何もないため絶好の撮影スポットとして人気があります。
龍宮神社のご案内
月-金:09:00~19:00
土日祝:10:00~17:00
〒598-0093大阪府泉南郡田尻町
りんくうポート北5番6