神社の数日本一を誇る島根県は、日本最古の歴史書『古事記』で記された神話の世界の舞台として広く知られています。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)の弟、須佐之男命(すさのおのみこと)が「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した逸話」や、その子孫である大国主命(おおくにぬしのみこと)が主人公の、「因幡の白兎」や「国譲り神話」は特に有名です。
出雲大社は、その大国主命を主祭神として祀る社で、旧暦10月の神無月には、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲に集まるとされ、出雲では神在月(かみありづき)と呼ばれます。人々の縁を結ぶ「神議(かみはかり)」がおこなわれたことから、大国主命は「縁結びの神様、福の神様」として親しまれています。
出雲大社(いづもおおやしろ)
「だいこくさま」として親しまれる大国主命(おおくにぬしのみこと)を奉った古社で、1744年に建てられた本殿は、日本で最も古い神社建築の形式である大社造りで、国宝に指定されています。参道は神様の通り道ともいわれ、左右どちらかの側から入るのがマナーとなります。参道の先の「銅の鳥居」をくぐると、拝殿(はいでん)があります。拝殿ではお賽銭を奉納して、「2礼4拍手1礼」をします。一般的な神社では「2礼2拍手1礼」ですが、出雲大社では手を4回叩くのが正しい作法となりますのでご注意ください。なお、ふだん、一般参拝ができるのは拝殿までです。拝殿は、出雲大社の遷宮期間中、大国主大神が祀られていた場所で、御仮殿(おかりでん)とも呼ばれています。地面にあるピンク色の3つの丸い跡は、かつてこの場所に、高さ48mの巨大神殿が作られていた痕跡です。3つの大きな柱(杉の大木)を1つにまとめたその大きさは、なんと直径3mもあります。現在の本殿は、高さは8丈(約24m)と、神社建築では破格の大きさです。しかし、かつての本殿は現在よりもはるかに高く、平安時代には16丈(約48m)、それより前には32丈(約96m)あったと伝えられています。平成12年(2000年)に、本殿八足門前の出雲大社境内遺跡から平安時代のものとされる宇豆柱(うずばしら)が発見され、かつての本殿の巨大さを証明するものとして注目を集め、作り話とされた神話のいくつかは歴史的事実であった可能性があると議論され、大きな話題となりました。
出雲大社境内遺跡
稲佐の浜(いなさの浜)/弁天島
神在月には全国の八百万の神々が出雲大社に集まりますが、それら神様が最初に上陸されるのが稲佐の浜です。また神話では、この場所で日本が大国主命から天照大御神の子孫へと譲られることが決まったといわれています。浜から出雲大社へ向かう途中で見学するのが、出雲大社の摂社である上宮(かみのみや)です。集まった神様によって、人々の幸せのご縁を結ぶための会議「神議り(かみはかり)」が行われますが、それがこの上宮で行われます。知る人ぞ知る隠れたスポットです。
稲佐の浜の紹介
日御碕神社(ひのみさき神社)
伊勢神宮が日本の昼を守るのに対し、日御碕神社は日本の夜を守るといわれており、日が昇る東の伊勢神宮に対し、日が沈む西の日御碕神社が対になっています。下の宮「日しずみの宮(ひしずみのみや)」と上の宮「神の宮」の二社からなり、「日沈宮(ひしずみのみや)」には伊勢神宮と同じ天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。さらに、徒歩10分のところにある高さ日本一の出雲日御碕灯台があります。「世界の歴史的灯台百選」に選ばれおり、白亜の石造りの姿は息を飲む美しさです。
日御碕神社の紹介
美保神社(みほ神社)
全国に3,385社あるえびす様の総本宮です。出雲大社の主祭神である大国主大神(おおくにぬしおおかみ)の妻と子供の神様が祀られています。そのため、出雲大社を参拝したら美保神社にも参拝する「両参り」が良い習わしとされ、出雲大社のみの「片参り」よりも御利益があるといわれています。出雲大社と同じで縁結びの御利益が期待できるといわれています。
美保神社のサイト
須佐神社(すさ神社)
『出雲国風土記』にも登場する古社、須佐神社は、島根県中部を南北に流れる神戸川の支流、須佐川のほとりにあります。
この地は日本神話の中でヤマタノオロチを退治した英雄「須佐之男命(スサノオノミコト)」に関わりが深い。
全国にはスサノオゆかりの神社が数多くありますが、ここは唯一、スサノオの御魂を祀る神社で、祭神はスサノオのほか、妻である稲田比売命(イナタヒメノミコト)と、その両親である足摩槌命(アシナズチノミコト)、手摩槌命(テナヅチノミコト)と、オロチ退治に登場する四神が祀られています。ご利益は良縁・子孫繁栄・家内安全・諸障退散など。『風土記』や『延喜式』でも確認できる古社であり、本殿は1861年(文久元年)建築の大社造りで県の文化財にも指定されています。出雲の山あいに立つ小さな神社ですが、周囲を緑に囲まれた境内は神秘的な雰囲気が漂い、日本一のパワースポットとしてメディアで紹介されるなど注目を集めています。
須佐神社のサイト
八重垣神社(やえがき神社)
高天原(たかまがはら)から出雲の斐の川上に降り立った須佐之男命(スサノオノミコト)は、泣いている老夫婦神の足名椎命(あしなづち)、手名椎命(てなづち)とその娘稲田姫(いなだひめ)のために、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治し、稲田姫の命を救いました。この時、須佐之男命は、斐の川上から七里離れた佐草の郷"佐久佐女の森(奥の院)"に、大杉を中心に『八重垣(やえがき)』を造り、そこに稲田姫を隠しました。八岐大蛇を退治した須佐之男命は、両親(足名椎命と手名椎命)の許しを得て夫婦となり、この佐草の地に宮を造り、夫婦の宮居として、縁結びの道をひらきました。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」
という妻をめとった喜びの歌から、『八重垣の宮』となりました。
"天つ神"須佐之男命と"地つ神"稲田姫命の御二柱は、この地で結ばれた出雲の縁結びの大親神様です。この御二柱を主祭神とした八重垣神社は、古来より朝廷、国司、藩主の崇敬が厚く、神の国出雲の古社・名社として位置づけられています。
八重垣神社のサイト
月-金:09:00~19:00
土日祝:10:00~17:00
〒598-0093大阪府泉南郡田尻町
りんくうポート北5番6